お風呂があふれる エコキュートHE-37K3Qの修理

追記:本記事公開後しばらくして故障再発し、再修理しました。この記事は記録としてそのままにしておきますが、真の故障原因については下記を参照ください。

burro.hatenablog.com

 

15年以上前に設置したパナソニックのヒートポンプ式給湯器(貯湯ユニットHE-37K3Q)を使っています。「ふろ自動」ボタンを押してお湯張りすると、決まった水位で自動的に給湯が止まって、そのあとは冷めないように時々追い炊きしてくれるのですが、ある日突然お風呂があふれるようになりました。メーカーに修理をお願いして故障した部品が浴槽循環配管の水流を検出するフロースイッチだというところまで特定していただけたのですが、何せ相当古い機種なので補修部品の保有期間が終了していて在庫がどこにもないということで、修理していただけませんでした。買い替えるとかなり高額の出費になるので、自分で部品を調達して直すことにしました。

 

フロースイッチ

部品の品番はT56-738Rです。

新品は入手できそうにないので、中古のものを購入しました。

フロースイッチ T56-738R

フロースイッチの交換

フロースイッチは浴槽のお湯を循環させる配管につながっているので、取り換え作業前に循環配管の水抜きをしました。浴槽に水がない状態で浴室のリモコンをONにして「追いだき」ボタンを押すと、循環ポンプが起動して配管内の水が浴槽に排出されます。水が出なくなったら、配電盤のエコキュートにつながるブレーカーをOFFにして完全に電源を遮断しておきます。

フロースイッチの位置は屋外に設置されている貯湯ユニット(下の写真)の中の赤丸のあたりです。

貯湯ユニット

右側から近くで写すと、こうなっています。

フロースイッチの位置

銅パイプが3本接続されていますが、接続部の金属製クリップを外せばパイプを抜き取れるようになっています。おそらく本来は簡単に外せるはずですが、浴槽循環水が流れる場所なので、不純物などがついて硬くなっていました。少しずつこじって部品を取り外しました。制御基板につながるオレンジ色の配線2本は1枚目の写真を見るとわかりますが、フロースイッチのすぐ近くにコネクタがあって、そこで切り離せます。あとは中古で入手したフロースイッチと入れ替えれば修理完了です。浴槽があふれることはなくなりました。

フロースイッチの仕組み

取り外したフロースイッチを調べてみました。

フロースイッチは水の流れがあると2本の端子間が導通するようになっていて、取り外した直後は壊れていて導通しない状態だったのですが、しばらくしてなぜか正常に動作するようになりました。

中に金属製の板状のものがあって、向きをかえると自重でパタパタと動きます。

この向きだとフロースイッチから出ているオレンジの2本の端子間に導通があって、

この向きだと導通がありません。

中を開けてみました。


板状の金属が軸に取り付けられていて、この写真では上から下に水流があると、金属板はこの写真のような状態になり、端子間に導通があります。実際には写真下側のパイプ接続口が上になる状態で設置されているので、水流がないと金属板は自重でこの写真でいうと上側に倒れた状態になり、導通がなくなります。

金属板には永久磁石が取り付けられていて、写真では見えていませんが、オレンジのリード線の先にリードスイッチがあって、磁石が近づくと導通する仕掛けになっています。

フロースイッチを分解するまで、電極が水流の中にあって、水圧に反応して接点が導通するような仕掛けなのかなと考えていました。それで浴槽内の水が通るので、不純物が電極について故障したのかと思っていたのですが、電極は水に触れない設計になっていて故障の原因はよくわかりませんでした。フロースイッチの内部はきれいな状態だったので、金属板が物理的に動かなくなっていたということは考えにくく、リードスイッチの不具合が原因じゃないかと思います。もしそうだとすると、リードスイッチの交換だけで直せたかもしれません。

リードスイッチは爪で押さえて取り付けてあるだけなので、かなり硬いのですが爪を上げれば外せます。

リードスイッチにはOKI RA-111-12と刻印があります。この型番で調べてもデータシートなどの情報を探せませんでしたが、同じサイズでNRS-102という近接センサーを見つけました。もとのリードスイッチの仕様がわからないのでなんとも言えませんが、互換品として使えるかもしれません。

 

まとめ

フロースイッチを交換して浴槽があふれる故障を修理しました。

フロースイッチが壊れると浴槽があふれる理由ですが、浴槽循環配管の水流が検出できないと、浴槽からお湯がもどってこない、つまり浴槽の水位が足りないと判断して貯湯タンクからお湯を供給し続けてあふれる、ということらしいです。

 

貯湯ユニットの混合弁と三方弁は以前にメーカー修理で交換済みですが、ほかの部分も壊れやすくなっていそうです。それでもなんとかできるだけ長く使いたいですね。ヒートポンプユニットの水冷媒熱交換器が水漏れするとか、コンプレッサーが壊れるとかしたら、さすがに自力で修理できなさそうなので買い替えるしかないかもしれません。