マッサージチェア FMC-5000 の修理

警告:マッサージチェアを無資格で業として修理することは禁止されているようです。個人的に修理することまでは禁止されていないと認識していますが、この記事を参考にした結果の如何なる事態にも責任を持てませんので、ご注意ください。

エラー表示
2005年ごろに発売されたファミリーイナダのマッサージチェア FMC-5000 ですが、電源を入れた直後に「プププ」と警告音が鳴って、リモコンに「PPP セーフティが働きました。電源を入れなおしてください。 PPP」と表示されるようになりました。全身疲労回復コースボタンを押すと動作はしますが、設定を変更しようにもエラー表示のままなので、設定できたのかできてないのかわからない状態です。メーカーのサイトで修理サービス終了機種リストに入ってますが、ダメもとで電話してみたところ、やはり部品がないので修理できないとのこと。「PPP」表示は、背中の押し出しメカが機能していないとのことなので、それを手掛かりに調べてみました。

故障の状況

背面カバーを外し、主電源をON、その後リモコンの電源ボタンを押したときの動作です。

主電源ONで押し出し機構は後ろにひっこんだ状態の初期位置に移動しています。その後リモコンの電源ONで、押し出しが前に動く途中で「プププ」と警告音が鳴っていて、画面には映ってませんが、この時点でエラー表示が出ています。左上に押し出しの初期位置を検知する磁気センサーがありますが、このセンサーは正常動作しているようです。右側に押し出しを駆動するモーターがあり、ベルトとかみ合うプーリーの下に回転を検出する磁気センサーが2つ取り付けられています。リモコンの電源をONした際の初期化動作で、このプーリーが少し回転した時点の、まだ押し出しが端まで移動しきらない途中でエラーが出て押し出しが止まるので、この磁気センサーが怪しそうです。

原因調査

押し出し駆動モーターの回転検出センサー

ホール素子(磁気センサー)が2つ実装されています。プーリーに取り付けられた磁石の接近を検出し、回転数と回転方向を検知できるようになっています。この出力信号をオシロスコープで観察してみます。

回転検出センサーの波形
2個のセンサーのうち、片側が死んでるようです。

磁気センサー基板
ホール素子にはW60のマーキングがあり、旭化成のEW-560ではないかと思います。データシートによると、出力はオープンコレクタなのでセンサー出力にはプルアップ抵抗が必要で、電源が入っていれば+5Vになっているはずですが、死んでるほうの出力はGND付近の電圧になっています。しかも少しノイジーでハイ・インピーダンス状態、つまりどこかで断線しているんじゃないかという状況です。センサー基板のコネクタからケーブルをたどって反対側のコネクタ部分を測定したところ、+5Vが出ていて、接続ケーブルが断線していると判明しました。こんなに太くて丈夫そうなケーブルが断線するとは考えにくいのですが、コネクタとの接続部分ではなく、配線の途中で断線しているようでした。押し出し機構の移動とともにケーブルが曲がるので、何回も曲げられた結果断線したようです。

修理

コネクタはJSTのXAというタイプと分かったので、XAコネクタ用ソケットコンタクトを手持ちのケーブルに接続し、断線したオレンジの配線はコネクタから抜いて、入れ替えました。バイパスの配線は、ケーブルハーネスの取り外しが難しそうだったのでハーネスに添わせる形で結束バンドで適当に固定しました。機構ごと上下に動くので、他の部品に引っかからないよう注意して固定する必要がありました。(写真撮り忘れました)
以上の処置で無事にエラーがなくなり、元通り使えるようになりました。

洗濯乾燥機NA-VR1100の修理(給水トラブル)

注意:DIY修理の結果、水漏れや漏電、火災などの事故が発生する可能性があります。記事を参考にして作業した結果、何らかの損害が発生しても責任を負えませんので、自己責任でお願いします。

不具合の内容

もう18年近く使っている洗濯乾燥機です。前回のメンテナンス以来順調に稼働していましたが、液体洗剤が洗濯後も残ったままになるという不具合が発生しました。

液体洗剤が投入されない

分解調査

上面のカバーを開けました。左奥が給水ホースを接続する部分で、そのすぐ手前の白いケースの内側に洗剤投入用のトレイが収納される構造になっています。

上面カバーを開けた状態

前面のカバーも外しました。この状態で動かしてみましたが給水の勢いが弱く、本来なら液体洗剤がたまっている部分の真上から水が出るはずですが、全く出てきません。

洗剤投入用トレー収納部の内側

洗剤投入用トレイを収納する白いケースの天板を外してみました。天板の中に何本か水路があって、天板の各部から水を流せるようになっているようです。給水ホースの接続部と一体化した電磁弁は3個ですが、天板との接続部は4つに分割されていて電磁弁との接続がどうなっているのかよくわかりませんが、給水の仕方が3種類あるということのようです。天板の流路が詰まっているんじゃないかと疑いましたが、問題なさそうでした。

トレイ収納ケースを分解

次に、給水ホース接続部と一体化した電磁弁の故障を疑いました。ねじ2本を外せば洗剤投入トレイの収納ケース部分から取り外せます。

給水電磁弁
給水電磁弁を外した状態

電磁弁3個が一体化されています。

取り外した電磁弁

電磁弁のねじは「いたずら防止ピン付きヘックスローブねじ」という特殊なねじです。分解するには、穴付きヘックスローブドライバのT20が必要です。

電磁弁を分解

ダイヤフラム弁というタイプの電磁弁のようです。3つの弁のうちの1つでゴムでできた膜(ダイヤフラム)の一部が裂けて穴があいていました。

取り出したダイヤフラム(左上が破損品)

修理

破損したダイヤフラムは直径27mmで、互換性のありそうなものが大手ネット通販サイトにたくさん出品されています。よく使うサイトで識別符号がB0CNC56H5Fの4個入りの物を購入したところ、オリジナルとほぼ同じ形状で、ぴったりでした。

購入したダイヤフラムの互換品

ダイヤフラムを互換品と交換したところ、不具合が解消し快調に動くようになりました。

ダイヤフラム電磁弁の仕組みと故障の原因

仕組みを理解してすごいなと思いましたが、ネット検索では商品の細かい説明ばかりで、わかりやすいものが見当たらない気がしましたので、私が理解した仕組みを載せておきます。

動作原理

純化したダイヤフラム電磁弁の模式図です。赤い部分がゴムの膜で、その上のプレートと合わせた部分が交換したダイヤフラムに相当します。

電磁弁の仕組み

  • 電磁石がOFFのとき
    • 電磁石の軸の中心にある鉄心がばねに押されて、ダイヤフラムの真ん中の小さな穴をふさいでいます。
    • 穴がふさがっているので、ダイヤフラムの上側にある水は行き場がなく、上側の水圧と下側(水道からの給水側)の水圧はダイヤフラムの左側の小さい穴を通して同じになります。
    • 水道の水圧でダイヤフラムが出口に押し付けられ、水は全く流れません。
  • 電磁石をONにすると
    • 鉄心が上に引っ張られ、ダイヤフラムの真ん中の小さい穴が解放されます。
    • 給水側からダイヤフラム左側の小さい穴を通って上側の部分に入り、さらにダイヤフラム中心の小さな穴を通って出口に至る流路ができます。
    • 左側と中心の2つの小さい穴には同じ流量の水が流れ、それぞれの穴の両側に、穴の大きさと長さ、流れる流量で決まる圧力差が発生します。
    • 2つの小さい穴は似通った形状で、流量は同じなので、ダイヤフラム下側と上側ではおそらく給水圧の半分くらいの圧力差が発生します。
    • 圧力差による力でダイヤフラムが押し上げられ、大きな隙間ができて水が勢いよく流れ出します。
  • もう一度電磁石をOFFにすると
    • ばねの力で鉄心が中心の穴をふさぎ、小さい穴を通した流路に水が流れなくなってダイヤフラムを挟んだ上下の領域の圧力差がなくなります。
    • 押し上げる力がなくなってダイヤフラムが下がり、給水圧で出口に押し付けられて完全に止水されます。

実際には出口部分の圧力が通水時と止水時で異なるなどの影響があったりしますが、おおまかにはこのような動作原理になっていると思います。

故障の原因

今回の故障では、左側の小さい穴の周りが裂けて、裂け目を通した流路ができたことで、圧力差が小さくなり、ダイヤフラムを押し上げる力が弱くなって弁が完全に開かなくなっていたようです。

ダイヤフラム電磁弁の特徴

この電磁弁の仕組みは実に巧妙にできていて、次のような特徴があります。

  • 水道の水圧を使って完全な止水と弁を全開にする力を得ている
  • 電磁石はダイヤフラムの真ん中のごく小さい穴を塞ぐか開けるかしているだけで、大きな駆動力は必要ない
  • 弁の上下で変形する部分のゴムに裂け目ができたとしても、水の主経路をふさぐ部分は平板で変形せず、破損するような力がかからないようになっていて、水が流れ続けるような致命的な故障は起こり難い

強力なばねの力で水道の水圧に対抗して止水しているわけではなく、強力なばねの力を上回る電磁石の力で弁を全開にしているわけでもないので、省電力で弁を開けた状態にできます。この特徴を活かして自動散水器のような電池式の開閉弁にも使われているようです。 実際、電磁弁を分解したときに出てきた電磁石の軸の中のばねは、ものすごく柔らかい繊細な感じのばねでした。

この電磁弁自体は、もう入手困難になっているようですが、ダイヤフラムに汎用品が使えたので600円ほどで修理できました。

エコキュートHE-37K3Qの修理(エラーコードH57)

注意:DIY修理の結果、水漏れや漏電、火災などの事故が発生する可能性があります。記事を参考にして作業した結果、何らかの損害が発生しても責任を負えませんので、自己責任でお願いします。

トラブルの内容と経緯

ふろ循環ポンプ交換後トラブルなく使っていたエコキュートですが、エラーコードH57が出るようになりました。メンテナンス説明書によるとH57は中間混合弁異常で、「中間混合弁が水側、お湯側に駆動しても位置を検出できない」という内容ですが、特に問題なく使えていたのでしばらく様子見していました。10月末の最初のエラーから2か月ほどの間に4回、同じエラーが出ましたが、一時的に蛇口のお湯が冷たくなる程度の状態でした。それが1月に入って、いつまで経っても蛇口からお湯がでないという致命的な状態に至り、混合弁の交換をしました。

エラーコードH57
交換用の混合弁は、最初にエラーが出た時点で中古品をネットオークションで探して入手済みです。この機種はすでに部品の保有期間がきれていて、前回トラブルの際に部品手配できず修理を断られた経緯があり、不具合対応の選択肢はDIY修理しかなさそうな状況です。今後の不具合にも備えて、貯湯ユニット内の部品をまとめて出品されていたものを購入しました。中古の混合弁の平均的な価格の数倍くらいの値段でしたが、今後のトラブルでも活用できるとすると割安だったかなと思います。
とは言っても新品ではないので、交換前に問題なさそうか確認しました。混合弁は、ねじ2本を外してサーボモーターと水流を制御するバルブ部分とに分離できます。サーボモーターを取り外してバルブの軸を回せるか確認したところ、手でスムーズに回せる状態で、バルブ側に問題はなさそうでした。サーボ側は実際に動作させて確認するほうが早そうなので、分解確認はしませんでした。組み立て前に、バルブ内部に青白い付着物が少量ついていたので水洗いしておきました。
回転部の位置合わせ
バルブ部にサーボを取り付ける際、バルブの軸の回転位置を適切な角度に合わせておかないと動作がおかしくなります。サーボの回転部の四角い掘り込みが0度の位置に来ている状態で、バルブ側は軸の印と金属板の印の方向を合わせておけばよいようです。

中間混合弁の交換手順

まず、漏電遮断器を切にして、混合弁交換時に水が出ないよう給水元栓を閉じ、逃し弁のレバーを上げて内圧を開放しました。念のため、排水栓を短時間開けてタンクの水を少し減らしました。

漏電遮断器、給水元栓、逃し弁と排水栓の位置
貯湯ユニットのカバーを外すと中間混合弁は最上部、脚立がないとアクセスできないくらい高い位置にあります。
中間混合弁の位置

サーボモーターを取り外してバルブの軸を回せるか確認したところ、手ではびくともしないほど固くなっていました。軸をスムーズに回せる状態ならサーボだけ交換すればよさそうですが、バルブ側に問題がありそうと判断し、バルブを取り外すことにしました。

サーボモーターを外した状態

まず、作業に際して水が出ても制御基板にかからないよう中間混合弁の周りにタオルを敷き、怪我防止のため作業用手袋を着用しました。配管との接合部にある金属製のクリップを外せば簡単に分離できる構造になってはいますが、かなり入り組んだ位置にあり、配管が3方向に接続されていて、中間混合弁のバルブ部分だけを取り外すのは困難でした。かなり四苦八苦しながら奥側のセンサー(メンテナンス説明書によると中間サーミスター)が取り付けられた部分も一緒にまとめて、左側の配管の軸周りにひねる様に繰り返し動かしながら、配管との接続部の隙間を工具でこじったりして左側の接続を分離し、その後ようやく右側の残り2か所も取り外すことができました。取り外しに際して水はほとんど出ませんでした。(手が痛くなるのでサーボとバルブの間にあった金属板も外しました。)

取り外した中間混合弁のバルブ部分と中間サーミスター部分(左)と交換用の混合弁(右)

外した左側の配管の接合部には白い固着物が付着していました。そのせいで簡単に取り外しできなくなっていたのではないかと思います。付着物は取り除いたほうがよいのでしょうが、入り組んだ場所で、下手をして配管が破損したりすると取り返しがつかなくなりそうなので、今回はそのままにしました。

中間混合弁と中間サーミスター取り付け部分を取り外した状態

中間サーミスターの部分を交換用混合弁に付け替え、貯湯ユニットの元の部分に取り付けました。逃し弁のレバーを下げ、給水元栓を開け、漏電遮断器を入にして修理完了。蛇口からお湯が出るようになりました。

壊れた混合弁の状態

取り外した混合弁のバルブ部分を分解してみました。

取り外した混合弁
なんと呼ぶのかわかりませんが、バルブの中で2方向から入ってくる水とお湯の混合比を変えるための回転する部品の表面に、グリスなのかコーティングなのか何かが変質して固着していました。この部品をバルブ本体から引き抜く際に、黒い粉がぼろぼろと剥がれ落ち、洗うと水が黒ずみました。バルブに戻してレンチで軸を何回か回すと手で回転できるくらいになったので再利用できそうですが、グリスのようなものを塗布する必要があるかもしれません。
バルブ内部の部品

今回、壊れそうな部品をいくつか確保したので、修理しながらもうしばらく使えそうです。

エコキュートHE-37K3Qの修理 その2

こちらの記事で修理できたと考えていたお風呂があふれる故障ですが、しばらくして再発し、いろいろ調べて再修理しました。

burro.hatenablog.com

屋外に設置してある貯湯ユニット内部のフロースイッチを交換して一時的に浴槽があふれるという症状が出なくなっていたのですが、しばらくしてまた再発してしまい、フロースイッチが原因ではなかったと考えざるをえない状況になりました。

お風呂にお湯を貯めていろいろ検証すると、お湯がなくなってしまうので、低めの水位で水張りモードに設定して調べました。

貯湯ユニットのカバー内側にサービス説明書が張り付けてあり、メンテモニターの使い方、表示内容が記されています。その手順にそって、台所リモコンでメンテモニターに入ります。まず、メニューを4回押してリモコン設定画面を表示させます。

▽|△ の ▽ を10秒押し続けると、「ピピー」と鳴ってメンテメニュー画面になります。

▽|△ でサービスを選んで確定を押すと、サービス画面になるので、さらに ▽|△ でメンテモニターを選択して確定を押します。(メンテモニターからサービス画面に戻るにはメニューを押し、メンテモニターの解除は確定を押す)

▽|△ でデータNo.を変更できます。41番は水位設定と水位センサー測定値です。設定値が33で水張り完了後センサーが35になっていて、水位センサーは問題なさそうです。水を少し抜くとセンサー値が減少することを確認しました。また、入浴時には人が入ってセンサー値が設定値よりも大きくなる状況も確認できました。

52番では、前回修理で故障の原因と考えていたフロースイッチの状態がわかります。この写真では0000になっていますが、下3桁が風呂注湯弁ON(1)/OFF(0)、風呂循環ポンプON(1)/OFF(0)、フロースイッチON(1)/OFF(0)を表しています。

この状態で浴室リモコンを操作して追いだきをすると、風呂循環ポンプON、フロースイッチONとなり、0011と表示されます。

何度か追いだきを試してみると0010となる場合があり、循環ポンプが作動しているにもかかわらず、フロースイッチがOFFになることがありました。前回修理では最初にメーカー修理を依頼したのですが、この状況からフロースイッチが故障と判断したと思われます。循環ポンプONでフロースイッチOFFの場合、浴槽循環配管に水(お湯)がないという判定になり、風呂注湯弁がONになって、タンクからお湯が継ぎ足されます。その結果浴槽があふれるという動作になっているようです。ただ、フロースイッチは交換済みで壊れていないことがわかっているので、循環配管が詰まっているのではないかと考えました。

循環配管の浴槽への接続部を外して分解してみましたが、特に問題はありませんでした。



次に洗浄剤を使って循環配管のクリーニングをしましたが、メンテモニター52番が0010になる現象は解消しませんでした。

それで循環ポンプが弱っているのではないかという考えに至り、中古のポンプと入れ替えてみたところ、メンテモニター52番の0010は発生しなくなり、浴槽あふれもなくなりました。

ということで、本当の原因は浴槽循環ポンプの吐出圧力低下だったようです。

原因確認のため、交換した古いポンプを分解してみました。

吸い込み側と吐出側の間の隔壁が割れています。ここから循環水が逆流して吐出圧が上がらない状態になっていたようです。前回の修理では、交換したフロースイッチが若干水流量が少なくてもONになるものだったため、直ったように見えていただけのようです。ポンプ隔壁の亀裂が大きくなって吐出圧がさらに下がり、再びフロースイッチがONにならなくなって浴槽あふれが再発したと考えられます。

ポンプ交換後、浴槽あふれは全く発生しなくなりました。

自家用車のタコメーター修理

久しぶりに車に乗ろうとしたら、この夏の異常な暑さのせいか車検通したばっかりなのにバッテリーが上がっていました。バッテリーを交換してエンジンかかったのですが、タコメーターが壊れて指針が振り切れるようになっていました。

youtu.be

同様の事例をネットで調べて修理してみました。まずは、メーターASSYを覆っているカバーを取り外しました。動画の上側に映っている2か所の穴の中にネジがあるので外します。次にハンドル位置を一番下に下げた状態で、ちから任せにカバーを外すのですが硬くて大変でした。

あとはメーターASSYの取り付けネジ3本を外し、裏側の配線を外して屋内に持ち込んで修理しました。

メーターの前面を覆っている透明のカバーを爪を持ち上げて外した状態です。さらに、電源、回転パルスなどの電気信号の伝達を兼ねたタコメーター裏側のネジ4本を外してメーター部分を分離しました。

タコメーターは交差コイルメーターという方式になっているようで、アナログテスターみたいに駆動コイルが1つで狭い角度でしか指針を動かせない普通のメーターと違って、2個の直交するコイルを使って360度自由な角度に指針を動かせるようになっているようです。おそらくどちらか一方のコイルに電流が流れなくなった結果、針が振り切れるようになったのじゃないかと思います。

エンジンの回転パルスの周波数を交差コイルの電流に変換するICのようです。パナソニック半導体会社が使っていたアナログIC用の型番が刻印されていますが、特定の車メーカー専用品なのかデータシートは見つかりませんでした。ネット情報によると、このICのはんだ付けに亀裂が入るのが故障の原因らしいので、基板裏側のICピンを拡大してみました。

かなり分かりづらいですが、はんだが割れていてピンセットで押すとICピンが動く状態になっていました。この夏の異常な暑さではんだが割れたのでしょうか。はんだ付けをやり直して元通り組付けました。

 

youtu.be

直りました。

前照灯のハイビーム表示ランプが切れているのに後で気がつきました。。

パナソニック DVDレコーダー DIGA DMR-XW31の修理

注意:電源部のコンデンサーを交換することで、火災、感電などの事故につながる可能性があります。以下の内容を参考にする場合は自己責任でお願いします。

2007年に購入したパナソニックのDVD・HDDレコーダーです。

最近スイッチを入れても画面が出るまで遅い気がしていたのですが、電源入れると一旦再起動するようになり、いよいよまずいなと思いつつ1週間ちょっと使っていたのですが、土曜の深夜に全く電源が入らなくなりました。日曜夜のドラマを取り逃したくなかったので、突貫で修理しました。

右側奥の電源回路の電解コンデンサーが膨らんでいたり液漏れしたりしているので、容量抜けが疑われます。手持ちの電解コンデンサーで値の近いものに交換します。

 

電源回路が載っている基板はHDD, DVDを外してもリヤパネルに引っかかって取れません。リヤパネルとフロントパネルを外してはじめて基板を取り外せました。リヤパネルはたくさんあるネジを全て外す必要がありました。フロントパネルは裏側と側面の爪を持ち上げてまっすぐ前に外せば、右側にある基板との接続コネクタも外れます。その他のコネクタ類は壊さないように慎重に外しました。
黄色で囲んだ電解コンデンサーに明らかな外観の異常があったので交換することにしました。

 

たぶん10年以上前に購入したジャンク袋の電解コンデンサーが役に立ちました。他に新品で購入して余っていたものや、捨てるつもりで置いてあった機器から外したものも含めて、以下のように交換しました。容量が全部抜けてしまっているものもあり、よくこんな状態で使えていたなと思います。

C16000
ELNA RJG 50V 150uF 105℃ → 実測 0uF
50V 220uF 105℃に交換

C13000, C13001
ELNA RJG 16V 1800uF 105℃ → 実測 25uF, 14uF
25V 1000uF 105℃に交換

C11005
ELNA RJG 35V 150uF 105℃ → 実測 35uF
35V 220uF 105℃に交換

C16005
ELNA 25V 100uF 105℃ → 実測 46uF
25V 100uF 85℃に交換

C1601
ELNA 10V 120uF 105℃ → 実測 53uF
25V 100uF 85℃に交換


ELNA RJGは超低ESR(直列抵抗がとても低い)タイプで、おそらく大きなリップル電流が流れる設計になっていると思われます。手持ちのESR特性のわからないものに交換したので、ESRによる発熱で早々に劣化する可能性があり要注意です。

 

他に、下記のコンデンサーも外観異常がありましたが、上の実測結果から推測して半分くらい容量が残っていそうだったので交換していません。

C13006, C14000, C15000
16V 120uF

無事に起動しました。動作確認時リヤパネルを外した状態で空冷ファンのコネクタを基板に接続していないと、起動してすぐにシャットダウンしてしまうので要注意です。

相当古い機種なので交換したらいいとは思いますが、見てないドラマがいつもいっぱいたまっていて、入れ替える気にならないということでまだ使い続けそうです。

お風呂があふれる エコキュートHE-37K3Qの修理

追記:本記事公開後しばらくして故障再発し、再修理しました。この記事は記録としてそのままにしておきますが、真の故障原因については下記を参照ください。

burro.hatenablog.com

 

15年以上前に設置したパナソニックのヒートポンプ式給湯器(貯湯ユニットHE-37K3Q)を使っています。「ふろ自動」ボタンを押してお湯張りすると、決まった水位で自動的に給湯が止まって、そのあとは冷めないように時々追い炊きしてくれるのですが、ある日突然お風呂があふれるようになりました。メーカーに修理をお願いして故障した部品が浴槽循環配管の水流を検出するフロースイッチだというところまで特定していただけたのですが、何せ相当古い機種なので補修部品の保有期間が終了していて在庫がどこにもないということで、修理していただけませんでした。買い替えるとかなり高額の出費になるので、自分で部品を調達して直すことにしました。

 

フロースイッチ

部品の品番はT56-738Rです。

新品は入手できそうにないので、中古のものを購入しました。

フロースイッチ T56-738R

フロースイッチの交換

フロースイッチは浴槽のお湯を循環させる配管につながっているので、取り換え作業前に循環配管の水抜きをしました。浴槽に水がない状態で浴室のリモコンをONにして「追いだき」ボタンを押すと、循環ポンプが起動して配管内の水が浴槽に排出されます。水が出なくなったら、配電盤のエコキュートにつながるブレーカーをOFFにして完全に電源を遮断しておきます。

フロースイッチの位置は屋外に設置されている貯湯ユニット(下の写真)の中の赤丸のあたりです。

貯湯ユニット

右側から近くで写すと、こうなっています。

フロースイッチの位置

銅パイプが3本接続されていますが、接続部の金属製クリップを外せばパイプを抜き取れるようになっています。おそらく本来は簡単に外せるはずですが、浴槽循環水が流れる場所なので、不純物などがついて硬くなっていました。少しずつこじって部品を取り外しました。制御基板につながるオレンジ色の配線2本は1枚目の写真を見るとわかりますが、フロースイッチのすぐ近くにコネクタがあって、そこで切り離せます。あとは中古で入手したフロースイッチと入れ替えれば修理完了です。浴槽があふれることはなくなりました。

フロースイッチの仕組み

取り外したフロースイッチを調べてみました。

フロースイッチは水の流れがあると2本の端子間が導通するようになっていて、取り外した直後は壊れていて導通しない状態だったのですが、しばらくしてなぜか正常に動作するようになりました。

中に金属製の板状のものがあって、向きをかえると自重でパタパタと動きます。

この向きだとフロースイッチから出ているオレンジの2本の端子間に導通があって、

この向きだと導通がありません。

中を開けてみました。


板状の金属が軸に取り付けられていて、この写真では上から下に水流があると、金属板はこの写真のような状態になり、端子間に導通があります。実際には写真下側のパイプ接続口が上になる状態で設置されているので、水流がないと金属板は自重でこの写真でいうと上側に倒れた状態になり、導通がなくなります。

金属板には永久磁石が取り付けられていて、写真では見えていませんが、オレンジのリード線の先にリードスイッチがあって、磁石が近づくと導通する仕掛けになっています。

フロースイッチを分解するまで、電極が水流の中にあって、水圧に反応して接点が導通するような仕掛けなのかなと考えていました。それで浴槽内の水が通るので、不純物が電極について故障したのかと思っていたのですが、電極は水に触れない設計になっていて故障の原因はよくわかりませんでした。フロースイッチの内部はきれいな状態だったので、金属板が物理的に動かなくなっていたということは考えにくく、リードスイッチの不具合が原因じゃないかと思います。もしそうだとすると、リードスイッチの交換だけで直せたかもしれません。

リードスイッチは爪で押さえて取り付けてあるだけなので、かなり硬いのですが爪を上げれば外せます。

リードスイッチにはOKI RA-111-12と刻印があります。この型番で調べてもデータシートなどの情報を探せませんでしたが、同じサイズでNRS-102という近接センサーを見つけました。もとのリードスイッチの仕様がわからないのでなんとも言えませんが、互換品として使えるかもしれません。

 

まとめ

フロースイッチを交換して浴槽があふれる故障を修理しました。

フロースイッチが壊れると浴槽があふれる理由ですが、浴槽循環配管の水流が検出できないと、浴槽からお湯がもどってこない、つまり浴槽の水位が足りないと判断して貯湯タンクからお湯を供給し続けてあふれる、ということらしいです。

 

貯湯ユニットの混合弁と三方弁は以前にメーカー修理で交換済みですが、ほかの部分も壊れやすくなっていそうです。それでもなんとかできるだけ長く使いたいですね。ヒートポンプユニットの水冷媒熱交換器が水漏れするとか、コンプレッサーが壊れるとかしたら、さすがに自力で修理できなさそうなので買い替えるしかないかもしれません。